楽曲解説 -カ行-
尺八様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。
吟龍虚空（ギンリュウコクウ）
尺八古典本曲。琴古流（キンコ）の裏組の一曲、明暗真法流（ミョウアンシンポウ）の本曲。虚空の一種。琴古流と明暗真法流の曲はまったくの別物。また明暗対山に伝わる竜吟虚空は、琴古流の吟龍虚空からの樋口対山による抜粋編曲。
琴古手帖の当流尺八曲目によれば、一月寺の門弟・吟竜子からの伝来とされている。もともとは虚空を吟竜子が編曲し、黒沢琴古に伝えた為、その名をとって吟龍虚空と呼ばれるようになったという（この談が誰によるものなのかは不明）。幻海の感想としては、虚空というよりも鶴巣籠の他に奥州系の手を参考にしているように感じられる。ただ、どちらにせよ吟竜子はかなりの音楽的センスをもった天才であったように思われる。壱越調ではあるが、表組の本曲とはかなり趣を異としているところからも、黒沢琴古が裏組に入れたことに納得できる。三浦琴童譜の番号順に吹くことや前後半とを段合わせすることも可能。
参考音源：琴古流 吟竜虚空（提供：木村氏 使用管：8寸四郎管）
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