楽曲解説 -カ行-
尺八様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。
門開/門開喜（モンビラキ/カドビラキ/モンカイ）
尺八古典本曲。明暗対山（ミョウアンタイザン）、西園流（セイエン）の本曲。門開之曲、別名に門開喜と書く場合もあり、音読してモンカイといわれる場合もある。伝来は樋口対山の作曲とも西園流の曲からの整曲だともいわれている。家門繁栄、運勢開帳の意味をもち、慶祝の曲とされている。
曲の構成は、従来の本曲らしい「調-本手-高音-鉢返し-結び」といった形式をとっておらず、どこかとらえどころのない曲調になっている。
前述のことから（実際の）門が開くと考えると曲調と題名が合っていないと思われがちであるが、この曲は実際の門ではなく、（私感だが）心をあらわしているのではないかと思う。尺八伝来の地とされる興国寺に法燈国師が持ち帰った経文「無門関」には、悟りへ至るためにはいくつもの形のない門（心）を通らなければならないとされている。その門は時に大きく間口を開いていることもあり、時には針の穴ほど小さいこともある。つまりは心の持ちようであり、それすなわち禅の教えでもある。時に思い通りにならず、形もとらえにくい心。それでいて明確な気高き意思を持ち、はっきりと心の道を示した時にはそれを覚悟とも呼ぶ。門開とはそのような悟り（覚悟）に至る前の心をあらわいるように思う。
その他のカ行の楽曲
海棠 楓の花 覚睡鈴 神楽初 影法師 鹿児島浜節 かざしの雪 楫枕 桂男 門付 門開 通う神 唐衣 刈干切唄 蛙 寒砧 寒月 観月曲 巌上の松 感心ヂ 菊水 菊の露 岸の柳 北国鈴慕 狐火 砧巣籠 九州炭坑節 九州鈴慕 清姫 京鈴慕 桐壺 琴三虚霊 銀世界 吟竜虚空 恭敬之御曲 供養之御曲 雲井獅子 雲井調 雲の峰 鞍馬山 黒髪 黒田節 芥子の花 玄如節 虚鈴 慷月調 虎嘯虚空 小鍛冶 木枯 虚空 小督の曲 湖上の月 五常楽 五常千秋楽 御所車 小簾の戸 五段砧 小蝶曲 雁音柱の曲 コスモス 寿競べ 寿調 小諸馬子唄 五郎時致 転菅掻 狐会 金剛石
