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楽曲解説 -カ行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

鞍馬山(クラマヤマ)

 地歌筝曲、長唄物。作曲は二代目杵屋勝三郎(キネヤカツサブロウ)。源義経(牛若丸、遮那王)の幼少期、平家を倒して父の敵をとろうと鞍馬山を駆け回って、天狗(鬼一法眼)相手に修行する様子が描かれている。

夫(そ)れ月も鞍馬の影うとく 木の葉おどしの小夜嵐
物さわがしや貴船川 天狗同士(※倒し)のおびただしく
魔界のちまたぞ恐ろしき
ここに源家(※源氏)の正統たる 牛若丸は父の仇 
平家を一太刀恨みんと 夜毎詣ずる多門天(※1)
祈念の疲れ岩角に 暫しまどろむ肱まくら

思い出せば 我いまだ三歳の時なりしが
母常磐が懐に抱えられ 伏見の里にて宗清が
情によりて命助かり 出家をせよと当山の
東光坊に預けられしも 数えてみれば一と昔
十余年の星霜(せいそう、※2)経(ふ)れど 幼心に忘れずして
今まのあたり見たる夢 それにつけても父の仇

剣道修行なすといえども 我一向の生兵法
願へば神の恵みにて 本望遂ぐる時節を待たん
いでや琢磨の修行をなさん 木太刀おっとり身構えなす
時しも俄(にわか)に風起こり 天狗礫(つぶて)のばらばらと
鳴動なしてすさまじし
遙の杉の梢より 又もや怪しの小天狗
木太刀うち振り 立向かへば
しや小賢しと牛若丸 つけ入る木太刀を払いのけ
上段 下段 早速(さそく)の働き 勝負いかにと霧隠れ
後ろに窺う僧正坊(※3) 勝り劣らぬ両人が
木太刀の音はこだまして 目覚ましくもまた勇ましし
さしもの天狗もあしらいかね 跡をくらまし失せにけり
跡をくらまし失せにけり

※1 多聞天=四天王の一尊、毘沙門天のこと。四天王として安置する場合は多聞天、独尊として安置するときは毘沙門天と呼び別けるのが通例。

※2 星霜=年月のこと。星が巡り、霜が毎冬起こる事から。幾星霜などと使われる。

※3 僧正坊=義経を鍛えたとされる大天狗あるいは鬼一法眼(きいちほうげん、おにいちほうげん)

2代目 杵屋勝三郎(キネヤカツサブロウ)=初代杵屋勝三郎の実子。1820年~1896年。
長唄三味線方の名跡の一つ。特に二代目は三味線と作曲の腕が非凡で多くの名曲を後世に残している。その腕前を称えて「馬場の鬼勝」とあだ名される。

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