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楽曲解説 -ア行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

新玉の曲(アラタマノキョク)

 地歌筝曲。作曲は大阪の菊塚与一(キクヅカヨイチ)、作詞は市田瓢々(イチタヒョウビョウ)。
 新年を寿ぐ勅題を歌に用いた祝賀曲。前唄の節回しが面白く巌上の松のような趣になっている。調子は、片雲井調子(四上り半雲井調子))。

霞晴れ行く 新玉の(※1)
年を迎えて 山の端の
初日の光 民草に
かかれる露を 吹き払う
軒にひらひら 日の御旗
千代に八千代に 皇統の
続きます 神代より
栄え行きけん 動きなき
御世も治めて 還城楽(げんじょうらく、※2)
祝い重ねん 君が代を
万々歳とぞ 祝しける

※1 新玉の=枕詞、年月や春にかかる。伊勢物語の一節にかけるとあまり祝儀には向かない。この曲では、「やっと春が来た」といった意味。

<あらたまの年の三年(みとせ)を待ちわびて ただ今宵こそ新枕(にひまくら)すれ>

※2 還城楽=雅楽曲で元は唐楽(左方)の舞楽、管弦曲。一人舞いではあるが、左方舞い(唐からの直接伝承)と右方舞い(高麗経由で伝承)の2種類がある。太食調、中曲、早只八拍子(はやただやひょうし)、拍子十八。語源は見蛇楽(けんじゃらく)で、曲の由来は西方の蛇を好んで食する人たちが蛇を見つけて喜ぶ様を現すとも、王の霊魂が蛇に転化して戻ってきた様を喜ぶものとも云われる。王の行幸を喜ぶ際に奏されるという。舞い人は専用の面と装束、バチ、木製の蛇を用いる。

菊塚与市=1846年~1909年
江戸後期・明治期の地歌箏曲家。正式な職格は勾当、その際に菊塚の性も授与される。明治維新後の職屋敷廃止後からは俗に菊塚検校とも呼ばれる。明治新曲の牽引役として多数の代表作を作曲、後世に残している。代表作に明治松竹梅、巌上の松三つの景色、住吉詣など。

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