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楽曲解説 -ア行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

越後鈴慕(エチゴレイボ)/
下田鈴募(シタダレイボ)

 尺八古典本曲、鈴慕の一種。越後(現 新潟県)にあった虚無僧寺・明暗寺(通称 越後明暗寺)に伝わった鈴慕。正式名称は、越後明暗寺伝の鈴慕で、他地方・流派の鈴慕と区別する為に越後鈴慕と通称される。数回の焼失の為に最後は中野原に移されたが、それ以前は南蒲原郡下田にあった為、その地名から下田鈴慕(シタダレイボ、※シモダレイボ)と呼ばれることも。伝承は、堀田侍川(ホッタジセン)→斉川梅翁(サイカワバイオウ)→岡本竹外、小山峰嘯、坂田如延など。
 越後明暗寺は、時代によって京都明暗寺や根笹派・不智派などの諸派と関わりがあった為、その曲調は京都系や奥州系の良いところが上手く交じり合い、優しくもあり激しくもあり、独特の雰囲気をかもしだしている。全体的に越後明暗の特徴である押ユリという技法が用いられる。常用される寸法は2尺管だという。
 構成は、「調べ-鈴慕(本手)-高音-高音返し-鉢返し」となっており、上ゴロ(上管でのコロコロ)や陰の手・陽の手(もみ手)など独特な技法が用いられている。

※下田=地名ではシタダが正しいが、シモダと読まれることが多い。


参考音源:越後鈴慕(使用:地無し1尺8寸 幻海作、竹外伝)

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