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楽曲解説 -ア行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

浦霞(ウラガスミ)

 地歌筝曲、明治新曲。3世菊仲検校(キクナカケンギョウ)作曲の高低2部の箏の重奏曲。現在の兵庫県神戸市の須磨の浦近郊の景色を歌ったもの。

淡路島 通う千鳥の 啼く声も
絶えて静けき 春の瀬戸
朧月夜の 影更けて
歌の聖(ひじり、※)の 名にしおう
人麿(ひとまろ、※) 神の有明や
くれない遠く 仄々(ほのぼの)と
明石の浦の 朝霞
行き交う舟も 懐かしく
鶴の舞子の 松林
千歳の色や 深緑
寄せては返す 磯浪の
音も長閑けし 青海原
桜花割く 須磨寺や
青葉の笛の 音高き
敦盛(あつもり、※)塚に 人集う
高根に歌う 鶯の
声に見上げる ひよどりの
坂路は今も 昔にて
駒の蹄(ひづめ)の 跡や残らん

※ 歌の聖、人麿=柿本人麻呂(かきのもとひとまろ)のこと。歌聖。三十六歌仙の一人。

※ 敦盛=平敦盛のこと。17歳で一の谷の戦いに参戦し、熊谷直実に倒される。その時のエピソードは後世の文芸に多く題材として用いられている。謡曲「敦盛」の「人間五十年~」の部分を織田信長公が好んだことから特に有名。

【一の谷の戦い】
 一の谷の戦いで敗戦の色が濃くなった平家は西へと撤退を始める。その後景に功を得ようとしていた熊谷直実は、立派な武者姿の者を見つけ「敵に後ろを見せるは卑怯なり、戻りそうろえ。」と呼び止めた。
 その言葉に取って返した一人の武将(平敦盛)。二人は組み合いながら、ついには熊谷直実が上に馬乗りになり、首を獲ろうと相手の兜をもぎ取った。すると目の前に我が子と年端も変らぬ若者が・・・。思わず手を止め、何とか助けようと名を尋ねるが「お前にとってはまたとない敵。名乗らずとも首を見せれば、手柄となろう。」と潔く首を差し出す。苦悶しながらも首を打ち、のちにその武将が平敦盛のものであったとわかったのであった。
 屋島へ転戦した源平。その戦いで熊谷直実は、敦盛の父である平経盛に、敦盛の所持していた形見の笛を届け、感謝の返書が届けられたという。

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