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楽曲解説 -ア行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

浮舟(ウキフネ)

 地歌筝曲、組歌の裏組。作曲者は不明(三橋検校とも)、作詞者も不明。題材は源氏物語第51帖、第三部の一部「宇治十帖」の第7帖にあたる「浮舟」で、その内容を詩に読み込んでいる。同様に松浦検校(マツウラケンギョウ)が作曲したものがあるが、こちらは頭に新を冠して「新浮舟」と呼ぶのが通例。

思ふこと 言はでや遂に 山城の
宇治の渡りの 憂(う)き瀬にも
浮(うか)みも果てぬ 行方(ゆくえ)こそ
なかなかなりし 恨みなれ

憂き世を渡る 柴舟(しばふね)の
水馴(みな)れ水馴れて 差す竿の
雫(しずく)を見れば いつとなく
物思ふ袖も かくばかり

身を分る 事は難(かた)しや 玉櫛笥(たまくしげ)
二道掛(ふたみちかく)る わりなさに
思ひ乱れて うち返す
心 一つの 苦しさよ

小野の住居の 自(おのず)から
聞えやありと つつましく
峰の嵐や さ牡鹿(おしか)の
声にも立てず なりにけり

古(いにし)への 二歌(ふたうた)ならで なにとなく
心床(こころゆか)しの 手習(てなら)ひは
徒然(つれづれ)なる日暮(ひぐらし)
忍び忍びの 涙(なみだ)なり

田の面(も)の秋に なりぬとや
稲葉(いなば)に交(まじ)る 少女子(おとめご)が
声はをかしう うち添へて
歌へば空に 雁(かり)ぞ鳴く

源氏物語 第51帖 「浮舟」(概略)

 薫の君(かおるのきみ、男性)は、女(浮舟)と契りを結びながらも宇治の山荘に放置したまま、訪れるのも疎遠であった。一方、匂宮(におうのみや、男性)は二条院で一目見た女のことが忘れられずにいた。
 そんな時、ふとした縁で女の居場所と薫の囲いものであることを知った匂宮は、それでも抑えきれずにある夜、薫を装って女に逢引し、強引に契りを交わしてしまう。女は人違いに気づくもすでに遅く、されど情熱的に愛を傾ける匂宮に次第に心引かれていく。
 秘密を持った女は思い悩むが、久方ぶりに訪れた薫はそんな姿をする女が女性として成長したのだと誤解し、邸へ迎える準備をすると約束してしまう。
 しかし、それを知った匂宮は急いで女を隠れ家へ連れ去ってしまう。そんな時、女は自身の寄る辺なさを「橘の小島の色はかはらじを このうき舟ぞゆくへ知られぬ」と詠い結ぶ。
 やがて女と匂宮の関係を薫に知られてしまい、軟禁状態に。薫からは恨みの詩を送られ、匂宮との間に板ばさみとなった女は、死を決意する。最後に母と匂宮への2通の手紙を残して…

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