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楽曲解説 -ア行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

朧月曲(オボロヅキノキョク、オボロヅキ)

 尺八本曲。九州明暗の重鎮であり、尺八の名人としても知られる津野田露月(ツノダロゲツ、明暗露月、津野田俊譲)の作(昭和3年ごろの作か)。
 九州を代表する古典本曲であり、流しの曲でもある薩慈(サシ)の曲調をもとにしたものと思われる。また調子虚鈴、乙甲の入れ替わる部分などは明暗真本流(露月は真法流にも造詣があり、楽譜は旧京都明暗寺のフホウエ式を推奨していた)など、他の古典本曲の曲相も感じられ、短い曲ではあるが、非常に変化があって面白い。現在ではほとんど忘れ去られ、吹かれなくなったのは非常に残念な曲である。
 似た曲名に明暗真法流の朧月夜があるが、まったく異なる。


尺八本曲 朧月曲(使用管:地無し1尺8寸 幻海作)

【津野田露月 筆(大明暗 第一巻4号より)】
人籟は人の心より発し、地籟は地の心より発し、天籟は天の心より発す。
唯、それ空籟は天地人にかかわらずして、無心の境より発す。
故に万法を兼ねて天地人に徹す。
空海は高野の暁に三宝(仏・法・僧)の声を聞きて、
豁然大悟(かつぜんたいご)す。
曰く、一鳥声有り声心あり、声心水倶に了々と。
一鳥無心に啼きて、声に三宝の心有り、雲水鳥声に聴き入って心境虚無なり。
脱然として悟徹する、これ三宝を超越して三宝を得たるか。

一枝の尺八を奔する、これ口頭指端の芸と思うべからず。
息心の練磨修行を積んで、運指自ら相和するに在り。
技にこだわるべからず、音に迷うべからず。
心頭を滅却して、虚無吹断す。
一管に空籟を籠めて、無韻を聴く。
人事の垢塵(こうじん)を一吹に去り、俗心爽然として一音浄化するの妙技に在り。
座傍の一管躍々として、生気を発す。
しかれども、技術を練磨して、有韻を味わうことを怠るべからず。
これ、一枝の尺八に心境を打開して、明暗双打の妙諦を了得するの修行なり。

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