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楽曲解説 -ア行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

宇治巡り(ウジメグリ)

 江戸時代後期に創作された地歌筝曲で松浦の四つ物の一つ。作曲は松浦検校(マツウラケンギョウ)、箏を浦崎検校(ウラサキケンギョウ)が手付けしている。歌詞は、京都の田中幸次と伝えられている。
 構成は、前唄-マクラ・手事・中チラシ・本チラシ・中唄・マクラ・手事・チラシ-後唄という複雑な手事形式となっている。

万代(よろすよ)を 摘むや茶園(さえん)の春風に
寿添えて佐保(さお)姫の
賑わう袖の若緑 人目を何と初昔
霞を分けて青山の 小松の城綾の森
千歳障りもなしむしに 齢(よわい)老いせぬ姥(ばば)昔
誰にも年を譲り葉の 千代の緑の松の尾の
神代の末の後(のち)昔
光を添えて園の梅 なお白梅の色香にも
深くぞうつる川柳 湖水越すだに宇治の波
[手事]
初花見する山吹の 花橘の匂うちょう
夢も結ぶの折鷹(おりたか)
小鷹の爪に枝しめて 木蔭も多き一森(いちもり)
喜撰の庵の夏の峰 滝の音
[手事]
菊水の 朝日山の端 薄紅葉
高雄の峰に雁がねの
漁(あさ)る声ごえ笠取(かさどり)の
数万所(かずまんどころ)面白や
心を澄ます老楽(おいらく)
祝いの代(しろ)と歌う舞鶴

太字:茶の銘柄

 まず、手事が2回あることが特徴的な大規模な手事物で、お茶の名所として名高い京都南の宇治を舞台に、周辺の景観や風物、さまざまなお茶の銘柄を詠いこみ、春から秋への四季の移ろいも風流に楽しむことが出来る。登場する茶の銘柄は、「寿・若緑・初昔・小松の城・綾の森・姥昔・譲り葉・千代の緑・後昔・園の梅・白梅・川柳・花橘・折鷹・小鷹・一森・喜撰・滝の音・菊水・薄紅葉・老楽・舞鶴」の22種が出てくる。

松浦検校=関名は久保一.藤池流で筝曲ではなく地歌の作曲者。~1822年
京都を中心に活動し、「松浦の四つ物」とよばれる四季の眺宇治巡り 歌恋慕四つの民深夜の月という京流手事物など数々の名曲を遺した。

浦崎検校=関名は了栄一。流派は生田流。生没年は不明(1800年代前半)。
京流手事物の箏の手付けの代表的作曲者として活躍。松浦検校の地歌を手付けする事が多く、深夜の月、末の契、里の暁、嵯峨の春などの代表作を遺した。

その他のア行の楽曲

相生の曲 葵の上 青柳/新青柳 秋風の曲 秋田 秋の曲 秋の言の葉 秋の調 秋の山唄 秋の夜 曙三谷 曙鹿の遠音 曙菅垣 曙調 朝風 朝戸出 朝の海 朝緑 芦刈 葦の調 阿字 阿字観 飛鳥鈴慕 吾妻獅子 吾妻獅子(地歌) 綾衣 菖蒲浴衣 新玉の曲 有馬獅子 あれ鼠 葦草鈴慕 十六夜日記 五十鈴川 伊豆鈴慕 磯千鳥 磯の春 磯節 一定 五木の子守唄 一息 稲上げ唄 今小町 祖谷の粉挽唄 岩清水 浮舟 臼の声 宇治巡り 歌恋慕 打替虚霊 打盤 海辺の夕映 梅の月 梅の宿 浦霞 回向 江差追分 越後追分 越後三谷 越後獅子 越後鈴慕 越中おわら節 越天楽 恵傳楽 江戸土産 扇盡 奥州流し 王昭君 近江八景 大内山 岡康砧 翁の曲 お立ち酒 尾上の松 朧月曲 朧月夜

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