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楽曲解説 -ア行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

尾上の松(オノエノマツ)

 地歌筝曲、本調子手事物。作曲者・作詞者はともに不明。箏の手付けは宮城道雄。歌詞は謡曲の高砂より引用されている。手事は楽の手3段あり、その後神楽拍子とチラシがあり、雅楽の手を取り入れているという、この曲独自の趣がある。
 播州加古川の尾上神社にある尾上の松の長寿にかけて、平和な御世を喜ぶ祝儀の曲。尾上神社にある尾上の松は、現存5代目になっている。

やらやら芽出たや めでたやと
謡ひうち連れ 尉(じやう)と姥(うば)
その名も今に 高砂(たかさご)の
尾上の松も 年古(ふ)りて
老いの波も 寄り来るや
この下かげの落葉 かくなるまで 命永らへて
猶いつまでか 生きの松
千枝(ちえ)に栄えて 色深み
琴の音通ふ 松の風
太平楽の 調べかな
豊かに澄める 日本の
恵みは四方(よも)に 照り渡る
神の教への跡たれて
尽きじ尽きせぬ 君が御代
万歳祝ふ かみ神楽
御神(みしみん)の前に 八乙女(やおとめ)の
袖振る鈴や 振り鼓
太鼓の音も 笛の音も
手拍子揃へて いさぎよや
あら面白や 面白や
閉ざさぬ御代の 相生(あいおい)の
松の緑も 春来れば
今ひとしほに 色勝(いろまさ)り
深く契りて 千歳(ちとせ)経る
松の齢を 今日よりは
君に引かれて 万代(よろづよ)を
春に栄えん 君が代は
万々歳と 舞ひ唄ふ

宮城道雄=大阪生田流、神戸・東京・ソウル・仁川など幅広く活躍。1894~1956年
神戸生まれ。明治35年に失明し、地歌筝曲の道に入った。弱冠11歳の時には中菅(ナカスガ)の芸名で師匠の代理稽古まで任されるほどの天才的なお箏の才能があった。その2年後には、朝鮮の仁川に家族とともに渡り、13歳で地歌筝曲の教授を開始した。日本国内で習った曲数がそれほど多くなかったために、自分で作曲を行いながら増やしていった。この時期に、「水の変態」が生まれる。大正2年には、結婚し宮城姓に改姓。その後、尺八家の吉田晴風(ヨシダセイフウ)・中尾都山(ナカオトザン)らと親交を結び、のちに新日本音楽という名称で活動するようになる。地歌筝曲だけでなく、邦楽界に多大な影響を与え、多くの発展を促した功績は筆舌に記しがたい。

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