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楽曲解説 -ア行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

奥州流し(オウシュウナガシ)

 尺八古典本曲。明暗対山(ミョウアンタイザン)の本曲。
 原曲は不明。奥州方面で吹かれていた流しの曲などであったろうと思われるが、根笹派錦風流にはその痕跡が残っていない。伝承された移動先に残っている一例である。あるいは、ハラの運指などの特徴から考えるに民謡(江差追分など)からの編曲かもしれない。
 二指連繋の打ち手を繰り返す短い曲で、手馴れると面白い曲である。現在の打ち手は京風になっている。チリやウルの連指は、琴古流の巣籠などの息吹も少し感じられる。
 この曲は、奥州系の曲を元に神保政之助(ジンボマサノスケ)と堀田侍川(ホッタジセン、越後明暗寺最後の住職)の合作とも、何かしらの曲を参考にした樋口対山(ヒグチタイザン)の作曲とも言われているが、真相はわからない(おそらくは後者)。

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