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楽曲解説 -サ行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

嵯峨の秋(サガノアキ)

 地歌筝曲、手事物形式による高低二部合奏物の明治新曲。作曲は菊末勾当(キクスエコウトウ)、歌詞は平家物語の巻六や能「小督(こごう)」を題材にしたもの。
 内容は、嵯峨野の奥に隠れ住む小督を高倉帝の使者・源仲国が箏の音色を頼りに探し当て、想夫恋の曲に小督の本心を知るという場面。同様のものを扱った曲に山田流筝曲四つ物の小督の曲がある。

さらでだに
ものの淋しき 名にたてる
嵯峨のあたりの 秋の頃
月も隈なき 柴の戸に
忍びて漏らす 箏の音は
峰の嵐か 松風か
尋ぬる人の 遊び(すさび)かや
駒をとどめて 聞く時は
爪音(つまおと)しるき 想夫恋(そうふれん)
爪音しるき 想夫恋

小督局:平安時代末期の高倉帝の寵姫。優れた美貌と箏の名手であったといわれる。
 中宮・建礼門院徳子(ケンレイモンイントクコ)の薦めで高倉帝の前で箏を弾じたのがきっかけで、帝の寵愛を一身に受けるようになる。しかし、自分の娘より寵姫を優遇する事に怒った平清盛によって宮中より追い出され、嵯峨野に隠れ住むようになった。
 帝は痛く悲しまれ、秘かに小督を宮中へ呼び戻そうと腹心の源仲国を使者として探し、連れ帰るように命じる。ある仲秋の名月の夜、嵯峨野に出かけた源仲国の耳へ微かに箏の音色が響く、それに合わせて仲国が得意の笛を奏でると小督が応える様に見事に想夫恋の曲を弾き返してくる。その音色を頼りに進むと一軒の粗末な小屋にはたして小督が隠れ住んでいたという。

菊末勾当=継山流箏曲家。1852年頃~1892
菊池派の菊久検校の弟子、大阪で活躍。。明治新曲の先駆者。代表曲に「嵯峨の秋」など。

その他のサ行の楽曲

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