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楽曲解説 -サ行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

住吉(スミヨシ)

 山田流の地歌筝曲で作曲は江戸中期頃、山田検校の手によって作曲された。詞は、はっきりとはしないが横田袋翁ではないかといわれている。
 大阪にある住吉大社の風景を題材に風物とともにめでたく歌う曲である。

[前弾]
一千年の色は 雪のうちに
深き願いも 今日こそは
はるばる来ぬる 旅衣
日もうららかに 四方(よも)の空
霞みにけりな 昨日まで
波間に見えし 淡路島
檍原(あおきがはら)も 思いやる
げに広前の すがすがし
片削ぎ(かたそぎ)の
行き合いの霜の 幾返り
契りや結ぶ 住吉の
松の思わん 言の葉を
我が身に恥ずる 敷島の
道を守りの 神なれば
四季の眺めに その上に
恋はことさら 難題がちに
読めたようでも 読み果(おお)されず
てには違いに 心を尽くし
高いも低いも 歩みを運ぶ仲
押し照るや 難波女の
よしあしとなく 仮初めに
歌う一節 雅びなる
忘れ貝との 名は虚事(そらごと)よ
逢うて別れて その後は
またの花見を 楽しみに
日数数えて 思い出す
忘れ草との 名は偽りよ
繋がりて枯れて それからは
後の月見を 楽しみに
夜半を積みつつ 思い出す
春や秋 そのかみ 世に光る君
御願(ごがん)果たしの 装いの
今に絶えせず おくはなお
深緑なる その中に
花や紅葉を 一時に
こき散らしたる 賑わいは
筆も言葉も 及びなき
折しも月の出で 潮に
つれて吹き来る 松風の
つれて吹き来る 松風の
通うは箏の願いも 満つや
四つの社の 御恵み
なお幾千代も 限りなき
道の栄えと 祝しけり
道の栄えと 祝しけり

山田検校=関名は斗養一(とよいち)、山田流の創始者。1757~1817年
京都より江戸へ派遣された長谷冨検校(ハセトミケンギョウ)に学んだ山田松黒(ショウコク)から学び、江戸人好みの派手で粋な筝曲を創作して山田流を興した。それには、当時江戸で流行していた浄瑠璃や長唄・能・歌舞伎などの特徴を取り入れた独自の作風であった。自作曲の楽譜や歌詞の出版や、箏職人の重元房吉(シゲモトフサキチ)と協力し箏の改良も行い、現在主流の「素箏(山田箏)」を製作したりと邦楽発展に大きな影響をもたらした。

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