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楽曲解説 -サ行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

蘇莫者(ソマクシャ)

 雅楽の唐楽(左方、中国系の曲)で、盤渉調(B)の一人舞いの舞楽。別字に、蘇莫遮など数種ある。乱声(らんじょう)から始まり、舞人が舞台に上がると夜多羅拍子(八多良・やたらびょうし、2拍+3拍の拍子))と呼ばれる五拍子の当曲(とうきょく)で舞を舞う。ちなみにこの拍子は「やたら・やたらめったら」などの「むやみに・みだりに」などの語源の由来になっている。
 楽曲や曲名の由来は、定かではなく代表的なものに下記がある。

①聖徳太子が信貴山に詣でる時に、馬上で笛あるいは尺八(おそらく正倉院尺八)を吹いていると亀の瀬というところ(現在の大阪府柏原市近辺)で山ノ神(金色の老猿・信貴山の守護神)が現れ、その音に合わせて舞を舞った。その話をもとに四天王寺の楽人が作ったという説。

②修験道の祖といわれる役行者(エンノギョウジャ・役小角)が、大峰(あるいは金剛葛城山系か)を笛を吹きながら行くと山神が現れて舞ったという説。

③ソマクシャとは、高昌国(現在の新疆ウイグル自治区)の女性用の帽子の名で、曲芸や手品などの散楽の名という説

④ソマクシャとは、梵字のSOBACUSYAからきており、意味は「美しい詩」賛美歌を意味する言葉。

⑤莫者には「貴人」という意味があることから、聖徳太子や役行者を偲び、蘇り(黄泉返り、復活)を願うという意味

 この舞楽には、舞人は猿の様な面をつけ、バチを持ち、赤の裲襠(りようとう)装束に蓑(みの)をまとい、どこか滑稽で面白みのある舞を舞う。太子と呼ばれる笛吹が舞台のすぐ脇に立って演奏するという伝説を再現するかのような演出がされている。太子役は、左方襲(さほうかさね)装束に唐冠(とうかんむり)をかぶり、太刀を腰に下げる。

 尺八との関係は、一説の聖徳太子が吹奏した伝説からなり、雅楽の手から尺八へ移したものが明暗系にあり、また研究の一環として琴古・都山の譜に直されたものがある。


参考音源:蘇莫者(使用管:古代尺八)
コラム:古代尺八の再現と実演


参考音源:蘇莫者序 竜笛独奏

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