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楽曲解説 -サ行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

園の秋(ソノノアキ)

 地歌筝曲、京風手事物。作曲は菊岡検校(キクオカケンギョウ)、箏の手附は八重崎検校(ヤエザキケンギョウ)、作詞は三井次郎右衛門高英(俳号・後楽園四明居)であるが、明治の中頃に幾山栄福が紹介して以来、弾かれるようになった曲。秋の七草を詠い上げながら、遊郭の手練手管あるいは籠の鳥を感じさせる詩になっている。
 京物としては小品であるが、粋な曲趣に異色があり、3部構成の三下りで前唄-手事・チラシ-後唄となっており、三味線地に大和文の手をいれ、箏は替手式の編曲、カケ合いには四季の眺から取った物、歌は端唄物のようなフシ廻しと凝った作りになっている。

たゆふすは 皆かしに出(い)で 露ばかり
あとに苅萱(かるかや) 桔梗(ききょう)屋の
その庭面(にわもせ)も 秋暮れば
時に尾花(おばな)や 女郎花(おみなえし)
廓(くるわ)景色と 打ちつれて
しゃんと小褄(こづま)を 鳥兜
おのが頼風(よりかぜ) 寄り添ひて
咲き乱れたる 萩薄(はぎすすき)
その手にからむ 朝顔(※)の
東雲(しののめ)方の朝嵐(あさあらし)
空も匂ふか 秋の七草

※朝顔は、桔梗の古名といわれている。

秋の七草:山上憶良(やまのうえのおくら)が万葉集に詠んだ歌が元になっている。その詩には朝顔の花と書かれているが、一般的なアサガオは熱帯アジア原産の移入された花であり、詩の朝顔は桔梗を指すのではないか、と云われている。

秋の野に 咲きたる花を 指折(およびおり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花
萩の花 尾花葛花 瞿麦(なでしこ)の花 女郎花 また藤袴 朝貌の(が)花

(画像は、Wikipediaより)

オミナエシ参考画像、尺八修理工房幻海 オミナエシ(女郎花)

ススキ参考画像、尺八修理工房幻海 ススキ(尾花)

キキョウ参考画像、尺八修理工房幻海 キキョウ(桔梗)

ナデシコ参考画像、尺八修理工房幻海 ナデシコ(撫子)

フジバカマ参考画像、尺八修理工房幻海 フジバカマ(藤袴)

クズ参考画像、尺八修理工房幻海 クズ(葛)

ハギ参考画像、尺八修理工房幻海 ハギ(萩)

菊岡検校=関名は楚明一。1792~1847。地歌の作曲者。
地歌の作曲者として活躍し、京流手事物の様々な名曲を後世に遺している。その多くの曲の箏のパートは八重崎検校が担当している。代表作品に磯千鳥・楫枕・茶音頭・夕顔など多数。

八重崎検校=関名は壱岐之都、三保一。生田流。1776または85~1848.
京流手事物の箏パートの作曲の第一人者で、多くの箏パートを作曲している。それまで人気の無かった曲も、彼が作曲する事で人気になった曲も。

その他のサ行の楽曲

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