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楽曲解説 -サ行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

深夜の月(シンヤノツキ)

江戸時代後期に創作された地歌筝曲で、地歌を松浦検校(マツウラケンギョウ)が箏を浦崎検校(ウラサキケンギョウ)が手付けしている。歌詞は広沢某と正確には伝わっていない。

山の端に 一行(ひとつら)見ゆる初雁の 声も淋しく徒に(いたずらに)
言葉の人心 飽かぬ別れの悲しさに 夢現(ゆめうつつ)にもその人の
知らぬ思いの涙川 映す姿や鐘の音に 空飛ぶ鳥の影なれや
[手事]
それならで 恋しき人は荒き風 憂き身に通る烈しさは 君に恨みはなきものを
小萩に置ける白露の 砕けて落つる袖袂 思う心の絶えだえに
虫の声ごえ冴え渡る 鳴く音(ね)更け行く秋の夜の月

秋の夕景を眺めながら別れた想い人を思っていると夢心地のように涙に溢れ、知らぬ間に山に月が昇ってしまっている、といった女性の切ない心情を詠んだ曲。全体的に低い音で構成され、しっとりとその心を映し出している。松浦検校の代表作「松浦の四つ物」の一つであるが、この曲の箏パートは、八重崎検校ではなく浦崎検校が行っている。

松浦検校=関名は久保一.藤池流で筝曲ではなく地歌の作曲者。~1822年
京都を中心に活動し、「松浦の四つ物」とよばれる四季の眺宇治巡り四つの民深夜の月という京流手事物など数々の名曲を遺した。

浦崎検校=関名は了栄一。流派は生田流。生没年は不明(1800年代前半)。
京流手事物の箏の手付けの代表的作曲者として活躍。松浦検校の地歌を手付けする事が多く、深夜の月、末の契、里の暁、嵯峨の春などの代表作を遺した。

その他のサ行の楽曲

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